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“屋久島シドッティ記念館”は人類をつなぐ
屋久島シドッティ記念館の建設予定地は太平洋を望む段丘上にある。シドッティが揺れる船から見た聖母マリア象に似るという耳岳、モッチョム岳、割石岳等の岩肌や緑深い前岳がさらに立ちはだかるように見える。周辺に接続する海岸部には、潮騒が聞ける落ち着ける異空間の森林公園がある。そこは険しい段丘崖になっていて、数千万年前に堆積したダイナミックな岩盤の上に太平洋から吹き上げる海風で乾燥し、貧栄養な環境で発達するウバメガシの森がある。シドッティはこのウバメガシ林を意気揚々日本での活動を念じつつ、慣れぬ羽織はかま姿で暗闇の中、急崖を上ったのであろう。そしてシドッティが上陸後初めて出会ったのは炭にする薪をとりにきた誠実な村人だった。
今回建設が計画されている記念館で日本の近代化の礎になった歴史とシドッティの強靭崇高な精神を感じてもらえば幸いである。多様な考えを持った世界の人々に来ていただくことで、屋久島の自然、屋久島の自然の影響を受けた人々との交流を期待したい。
屋久島を故郷に持つひとりとして。
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